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しじみ先生とフードコンシャスネス的こころ
第5回 イカとタコ、行儀がいいのはどっち?

ss ごきげんよう!「こころで食べる 味わい教育」を実践している志染(しじみ)先生こと学習院女子大学の品川明です。これからは自分自身のことを志染先生や志染と表記します。よろしくお願いいたします。
 今回は、イカとタコの違いについてです。子ども向けに実施している「味わい教室」の様子をご紹介しながら考えていただきたいと思います。
志染先生:(新鮮なマダコとスルメイカをトレイにのせて)イカとタコの違いを発見しましょう!
まずにあがるのが、「タコは足が8本で、イカは 10本です!」という声。ほかにも、いろいろな意見があがります。
「タコの方が赤い」「子ども:タコは足が太く、イカは細い」「タコの方が重い」「タコの方がぬるぬるしている」

ちょっと物知りな子からは、「両方とも中は白い。イカの方がいろいろな種類がいる」
志染先生:それではイカとタコではどちらが行儀がよいでしょう?
みんな真剣に考え、親子で、友だち同士でいろいろと考えをめぐらせます。なかなか思うような応えが見つからず、時間が経過すると・・・
志染先生:子どもが食事をする時に、行儀が悪いこととはどのようなことでしょうか?
「ひじをついて食べる。歩きながら食べる」
志染先生:そう!教室で歩きながら食べたら行儀悪いよね。では、イカとタコでは、どちらの方が行儀悪いと思う?
 みんなでいろいろと議論しあいます。
♪口はどこかな?
「イカの方が泳ぎながら食べていると思う。海の底を歩いているイカは観たことがないよ。タコは海底を歩いているし、海底の穴や壷に入ってごはんを食べているんじゃないかな」
志染先生:素晴らしい答えですね!海の中を探検した科学者のようだね。その通り。
 それでは、どうしてイカは泳ぎながら食べることができるんだと思う? また、どうしてタコは泳ぎながら食べることが苦手なのかな。イカとタコはどのようにして獲物を捕まえるのかな。よ~く観察して、考えをまとめてみよう。
 子どもたちは、イカやタコに触れながら、「口はどこかな。この足で魚やエビを捕まえるのかな。足が長いタコの方が獲物を捕まえるのは得意かな。イカにも長い足があるよ」と観察します。一生懸命に観察する姿はまるで科学者そのものです。

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志染先生:イカとタコの吸盤の違いを観察して、気づいたことから仮説を立ててみましょう。

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 子どもたちは、またまた真剣に虫眼鏡や生物顕微鏡で観察します。
「タコの吸盤もイカの吸盤も両方くっつく」「タコは先の方が小さい、イカは足によって吸盤の形が違う、タコの方が滑らかで、イカの方がゴツゴツしているよ」
 いろいろな意見が出て、次のような結論が出てきました。
「イカの吸盤には歯があり、タコの吸盤には歯がありません。イカは泳ぎながら食べても歯でしっかり獲物を押さえることができます。しかし、タコは歯がないので、泳ぎながらでは、獲物をしっかり押さえられません。そこで、底の獲物を体全体で覆う形で食べることになると思います」
志染先生:素晴らしい答えですね!それでは行儀がわるいのはどちらですか?
「イカは吸盤があり、泳ぎながら食べるので行儀が悪く、タコは吸盤がなく、海底に座って食べるので行儀が良いと思います」
♪いのちある素晴らしい存在に気づく
 子どもたちは、イカもタコも吸盤の違いなど体の形態によって、エサの食べ方が異なり、すんでいる場所も違うことを自分たちの観察や議論の結果から発見したあわけです。この学びの経験は子どもの探究心や好奇心を深く刺激し、想像力と創造力を育むことになるに違いありません。
 イカやタコを口にする食べ物としてとらえるだけではなく、私たちと同じ動物であり、食べるための工夫が体の形になり、居るべきところに居る、いのちある素晴らしい存在であると考えてイカとタコを見ると、それらを食べたときのおいしさもきっと違うと思うのです。
 みなさんはどのように思いますか?

 

 




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