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しじみ先生とフードコンシャスネス的こころ
第3回 しじみと美容

ss ごきげんよう!「こころで食べる 味わい教育」を実践している学習院女子大学の品川明です。
 今回は、シジミが美容や健康によい食べ物であることをいろいろと紹介しましょう。
 江戸時代から、シジミは“肝臓の薬”といわれ、二日酔いにはもちろん、妊婦の滋養補給食として親しまれてきました。栄養学的な知識はなくても昔の人たちは経験的にシジミが体にいいことを知り、それを暮らしに上手に取り入れてきたのですね。


 実際、シジミは驚くほど栄養が豊富です。あの小さい姿のせいなのかハマグリやアサリ、カキに比べるとイマイチ存在感が薄く、みそ汁に入っていても身までしっかり食べる人は、意外に少ないかもしれません。
 でも、それはもったいない話。シジミの栄養は、身にこそ詰まっています。ぜひ汁だけでなく身も食べてください。

 


♪理想的なアミノ酸バランス


 具体的に話しますと、タンパク質の中に必須アミノ酸がどのくらいの割合で含まれているかを示す「アミノ酸スコア」という指標があります。アサリやハマグリが80台なのに対して、シジミは100です。これはシジミのタンパク質が、理想的なアミノ酸バランスをもっていて、とても良質であることを示しています。
 また、タンパク質やDNAの合成に必要なビタミンB12ですが、1日に必要な量をシジミで摂ろうと思ったらどのくらい食べなければならないと思いますか? たった、3個で十分なのです。ほかにも、ビタミンB2、鉄、カルシウム、亜鉛など、私たちの身体に欠かせないビタミンやミネラルがたくさん入っています。
 もうひとつ、特に注目したい成分は、シジミに含まれるオルニチンです。この成分は機能性アミノ酸のひとつで、肝機能を保持したり、エネルギーを消費して脂質代謝に関与したり、細胞の増殖を活発にしたりといういろいろな働きがあります。
 肝臓には、アルコールの分解、疲れの原因となるアンモニアや脂肪を代謝するなど、重要なはたらきがあります。そのため、肝機能を高めておくことは、健康にとって非常に有効です。オルニチンをとることで肝機能の向上やダイエット・美肌効果、疲労回復効果などが期待できます。

 


♪冷凍するとオルニチンが7~8倍に

図 生と冷凍シジミから調製した汁と身中の成分含量(mg/100g)
 でも、このオルニチン、普通に活きたシジミを調理しただけでは、それほど多く含まれておりません。いったいどういうことだと思いますか?
 これはシジミだけに起きることですが、冷凍するとオルニチンの量が7~8倍に増えることがわかりました(図)。ですから、生のしじみではなく、あえて冷凍したものを出荷しているところもあるくらいです。
 おいしくて、しかも健康によいシジミをつくるには、第2回で紹介したように、まず1%の塩水で砂抜き、次に、塩水から出しておきます。
 最後のコツは、冷凍することなのです。そうすると肝臓の直接の栄養源になるアラニンというアミノ酸も増え、アラニンとオルニチンのダブル効果が期待できます。
♪冷凍シジミは凍ったまま熱湯に入れる
 冷凍シジミを調理するときのコツは、沸騰したお湯に入れてことです。そうすると身がとれやすく、食べやすくなります。間違っても、解凍しないで下さい。凍ったまま沸騰水に入れることです。シジミが、おいしくて健康によいシジミに変身します。
 ぜひ、冷凍してみてください。そうすればいつでもシジミが食べられますよ(笑)。週に1回シジミの日をつくって、家族みんなで食べてほしいですね。

 


♪こんなにもあるシジミの機能


 オルニチンの機能をまとめておきます。


①ダイエット効果:オルニチンはアルギニンとともに成長ホルモンの分泌を促す効果があります。成長ホルモンは基礎代謝を活性化し、エネルギーを消費する働きがあります。脂質を分解するリパーゼを活性化することも認められ、脂質を効率よく燃焼する働きがあります。


②肝機能向上:オルニチンは有害なアンモニアを解毒するオルニチンサイクルのアミノ酸で、アンモニアを最終的に尿素へ代謝する役割があります。この結果、肝機能を保持する働きがあります。


③美肌効果:オルニチンは細胞の増殖を活発にし、肌荒れなどを改善する効果があり、美肌を作るといわれています。


 ④疲労回復効果:オルニチンは肝機能を高め、その結果、疲労回復をはやめ、集中力を高めたり、寝つきがよいなどの効果が認められています。


 ひとつの成分に特化するのではなく、総合的にバランスよくいろいろな栄養素が含まれているシジミを摂ることが重要です。旬は、春から初夏にかけてです。これからが旬を迎えるシジミ。ぜひ、冷凍して味わって下さい。
 生き物(食べ物)の棲んでいる環境、生き物の特徴や能力を知ると、すごいですね。おいしくなるコツを生き物自身が教えてくれます。


 次回はどのような生き物が登場するか。楽しみにして下さい。




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