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「江口泰広名誉教授の戦“楽”的マーケティング発想」 17
~気楽にビジネス・チャンスをつかむ法~

<知覚品質~価値は顧客が決める>

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 過日講演会の後、参加者の一人から以下の質問がありました。
「商品の品質には自信をもっているのですが思うように売れないのです。どうしたらいいでしょうか?」
 当然価格を下げれば売れる可能性もありますが(とはいっても、それでも売れない商品もありますが)、イメージは悪くなりますし、利益も取れません。またその後の仕事がしにくくなります。
 思うように売れない理由はいろいろあるでしょうが、その一つに“価格の高さではなく知覚品質の低さに問題がある”場合が少なくありません。
 知覚品質とは顧客が知覚する品質をいいます。
「うちは品質に自信がある」といっているのはモノの品質をいっています。
 確かに愛情を込め、汗水たらし、努力して作った作物や製品には高い品質と価値があるだろうことは否定しませんが、モノがあふれる類似化時代にはモノの価値は相対的に低減しています。
では品質や価値の基準はどこにあるのでしょうか?  
そうです、それは顧客の中にあるのです。購入者である顧客が決めるのです。
 表現を換えれば、うまく売れない、つまり顧客から選ばれないのは価値伝達の品質が低いということです。
人々は目に見えないものに対しては不安を感じますし、知らないものは無視をします。
 顧客は品質を“見たい”のです。
 顧客の目に見えるものは全てが品質の手がかりとなります。
 ビニールに包まれたおにぎりと和紙で包まれたおにぎりではどちらが高品質だと思いますか?
 医師が白衣を着るのはなぜでしょうか。パイロッがカッコいい制服を着るのはなぜでしょうか。白衣や制服が信頼や品質の手がかりになるからです。
 店員や社員の立ち居振る舞いや制服が洗練されているほど業績がいいということがよくいわれています。
 ラーメン店の前に行列ができれば、この店は人気がある、つまり皆が評価している店なのだなということが見えます。 
 このように商品やサービスはもとより、店舗、店員、オフィス、社員、顧客、制服、看板等々、全てが品質の手がかりとなります。
 では知覚品質を高めるためにはどうすればよいでしょうか。
 方法はいろいろありますが、そのいくつかをご紹介します。


① ブランド力を高める:ブランドとは価値表示を意味します。ブランド力が高いということは知覚品質が高いということです。


② 商品/サービスに関する情報を提供する:対象顧客の視点に立って、必要と思われる情報をわかりやすく提供することが大切です。(異なった顧客は異なった価値を購入する。)


③ 商品/サービスに物語性を付加する:情報を提供あるいは発信する際に、魅力的で人が聞きたくなるあるいは話したくなるような物語を提供することです。人は情報を物語として他の人に伝えます(口コミ)。


④ 商品/サービスのオリジナリティを高める:その物語が他にはない固有のあるいは独自性があればより価値が増します。


⑤ 商品/サービスの希少性を高める:さらに、商品やサービスが限定的であったり、希少性があればさらに効果を高めます。


⑥ 代替品が少ない:類似化社会では“これしかない”という希少性と他に代わるものがないという状況があれば価値は高まります。


⑦ 価格を上げる:「高かろう、良かろう」の心理メカニズムを活用して、高価格設定をするのも高品質を訴求する方法の一つとなります。ただしこの場合、デザインやセンスが大きな意味をもちます。

 




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