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「江口泰広名誉教授の戦“楽”的マーケティング発想」 6
~気楽にビジネス・チャンスをつかむ法~

<ビジネスの原点はマーケティングにあり>


eguchi02 食関連のいろいろな会合に参加して名刺交換をさせて頂くと、フードデザイナー、食研究家、料理研究家等々、実に多彩なまた“カッコいい”タイトルにお目にかかります。
 フードコンシャスネス研究所の開催した研修会ではフード・コーディネーターのタイトルをもつ方が少なからずおられます。
 それぞれご自身の得意な領域や問題意識の高さを表していると思いますが、タイトルのほとんどは食に関わる仕事が広くできるようにということで、以上のような漠然としたタイトルにしている方が多いのかも知れません。
 例えばフード・コーディネーターはといえば、その名の示す通り食と関わりをもつあらゆる仕事が可能で、その仕事は店舗やメニューの企画・開発、食教育インストラクター、テーブルウエア、食関連雑誌の編集、食材開発、地域開発、農産品のダイレクト・マーケティング、福祉関連の仕事等々、実に多様です。
 タイトルはともあれ、食ビジネスと関連のある仕事をする方に求められる基本的視点があります。
それはある有名レストラン経営者の新店舗開発の話の中にあります。その経営者は新しい店舗を開発し、出店する時にどうするかという問いに次のように答えました。
「まず時代・市場の動きを感じとり、どのような人がどのようなものを求めているかを考えます。次いでどのような街に、どのようなコンセプトの店を作るかをイメージし、どのようなメニューやサービスを提供するか、どのような雰囲気づくりをするか、そのためにはどのような店づくり(施設=ハード)をし、どのような人材(シェフのみならずフロア担当を含め)を集め、どのように彼らを教育し、そして店舗(事業)の継続的運営のための管理システムを考えます」と。
「もちろん顧客が納得する価格を設定し、顧客を獲得するための情報発信(プロモーションや話題創造)も考えます」と付け加えていました。
 これらの指摘項目をごく簡単に整理すれば、マーケティングでいうマッカーシーの戦術4P(Product, Price, Place, Promotion)、あるいは最近はこれらの項目を顧客の視点からローターボーンの4C(Customer, Cost, Convenience, Communication)でくくることができます。
 あるいはこの経営者の話を別の視点で整理すれば、以下のS+3Mの4つに集約できます。
① 感性力(Sense)=時代・市場・顧客へのセンス
② 戦略・発想力(Marketing)=どんな店を作るか
③ 技術力(Merchandising)=どんな店やメニュー(商品)を作るか、サービスを提供するか
④ 経営管理力(Management)=どのように経営するか(継続的運営)
 これは成功する食のプロの基本的条件と能力がマーケター(マーケティングを立案・実行する人)であるかどうかにかかっているということを意味しています。
 自分自身のタイトルが何にせよ、仕事を限定的あるいは近視眼的に(狭義に)見るか、あるいはより広く定義するか、つまり自分の仕事をどう認識するかによって、仕事の仕方と未来が大きく異なってくるということです。
 ちなみに読者の多くが経験しているであろう企画立案や企画書を書く際にも、基本的に問われる視点がマーケティングです。
その意味で食に関わるビジネスをしている方は、すべからく自らのビジネス行動の基本に、次の言葉を銘記すべきでしょう。
すなわち“ビジネスの原点はマーケティングにあり”。(江口戦略語録)




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