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「江口泰広名誉教授の戦“楽”的マーケティング発想」 14
~気楽にビジネス・チャンスをつかむ法~

eguchi01 <イメージと事実> 

         
 今日の過激な競争条件下で企業が勝ち残るために、あるいは存続するために最も必要な条件はなんでしょうか。


 いかなる企業も必ず製品(サービスも含む)を市場や顧客に提供し、その評価のいかんによって市場に生かされる存在か否かが決まります。
 その意味で最も重要な条件は製品力と答えるのが通常でしょうが、製品やサービスが類似化している市場では必ずしもそうとはいえませ。
 類似化市場で勝ち残るために最も必要なことは、まず顧客から選ばれることです。
 そのためには他に換え難い独自性と明確なイメージが不可欠となります。
 なぜなら、市場や顧客にその独自性とイメージを明確に植えつけることができた企業やブランドのみが、存続を約束されるという現実があるからです。
 その意味で、競争の焦点(競争力の源泉)は必ずしも製品力ではないのです。
 その最もわかりやすい事例の一つが小型車の「パッソ」と「ブーン」でしょう。
 「パッソ」はトヨタで「ブーン」はダイハツの製品です。
ともに形、デザイン、サイズ等、車のスペック(仕様)は全くといって良いほど同じで、違うところはボンネットの先についているエンブレムだけです。
 なぜなら同車はトヨタとダイハツの共同開発車だからです。
 両車はほぼ同じであるにもかかわらず、発売後約1カ月で「パッソ」は2.5万台、それに対して「ブーン」は約4000台、しかも「パッソ」は「ブーン」より5~10%高く販売されていました。
 この違いはどこから生じるのでしょうか。
 本来知的かつ経験豊かであるはずのユーザーが冷静に考えれば、小型車に関してはトヨタよりもダイハツのほうがずっと長い経験とノウハウを蓄積していることはわかるでしょう。
 ダイハツが世界的にも評価の高い優れた小型車を開発する企業であることを知っていれば、価格的にこなれている同社の「ブーン」を購入するほうが得であることは理解できます。
 しかし現実はそうではありません。
 たとえユーザーが両社の共同開発車であることを知っていたとしても、多くのユーザーがトヨタの「パッソ」を購入するのです。
 それは発売直後の数字が明確に物語っています。
 なぜでしょうか。
 それは端的にいってイメージ、つまりブランド力の差以外の何物でもありません。
 小型車であればトヨタに勝るとも劣らない技術・ノウハウを蓄積しているはずのダイハツより、トヨタの方がイメージが良いのです。
 まさに“イメージは事実より重い”のです。
 敢えて強調しておきましょう。
 市場にける競争は製品の良し悪しだけではないのです。
 競争の本質は、顧客がどのように思うかという“認知を争う競争”なのです。
 これは視点を換えれば、価値は顧客が決めるということです。
 あらゆる製品(サービスも含む)が優れていることが当たり前の時代には、製品が優れているか否か(優劣の差)もさることながら、イメージのあり方あるいはイメージの優位性が重要となるのです。
 さて価値は顧客が決めるという時代にあって、読者は何をもって市場・顧客に評価されようとしているのでしょうか?!

 

 




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