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「江口泰広名誉教授の戦“楽”的マーケティング発想」 13
~気楽にビジネス・チャンスをつかむ法~

eguchi02<対応型戦略と適応型戦略>

 変化の激しい市場では、対応ではなく適応が求められます。
 では対応(発想・行動)と適応(発想・行動)はどこが違うのでしょうか。
 例えばたまたまトラブルが発生し、顧客からクレームがあったとしましょう。それに対して通常企業は「できるだけ早く対処致します。普通ならば1ヶ月かかるところですが、今回は社長の特例決済により2週間で何とか致します」というような行動をとることが往々にしてあります。
 これが対応型発想・行動です。
 企業としては特例決済により、通常の半分の時間で迅速な対処をしたのだから、当然顧客はその努力を評価して満足してくれるだろうと考えがちです。
 しかし残念ながら、必ずしもそうとはなりません。
 なぜなら顧客の満足評価基準は、その企業の社内比較ではなく、業種業態を超えた市場に存在するあらゆる企業との比較だからです。
 否むしろ、顧客はいつの場合でも、「できるだけ早く」ではなく「今すぐに」という時間価値を求めています。
 その意味で、「できるだけ早く」といった企業は顧客満足を得られずダメ企業に分類されてしまいます。
 もっというなら、「できるだけ早く」型企業は会社に戻らないと対応の段取りができない企業であり、「今すぐに」型企業は企業内のシステムがしっかりネットワーク化されているために顧客の前ですぐに答えが出せる企業なのです。
 つまり対応と適応をごく単純に比較するならば、対応は「できるだけ早く」という企業内の都合・常識・論理を優先する、いわば企業中心的姿勢をもつ企業であるといえましょう。
 これに対して「今すぐに」という適応は、市場や顧客の都合・常識・論理で行動する積極的なマーケティング型(顧客中心型)姿勢の企業です。
 企業が市場や顧客に生かされるためには、この適応型戦略発想と行動が不可欠の条件となります。
かつては百貨店で気に入ったズボンを見つけて裾直しをお願いすると、少なくとも2~3日待たされて不便したものですが、今では15~30分で直してくれます。
 顧客の視点は“商品を見つけた時が着たい(使いたい)時”なのです。
 今日、時の流れは質量ともに加速度を加え、変化の速度は企業に対して対応というような悠長な意識と行動を許しません。
 残念ながら、今日の人々にとって“忍耐”という言葉は死語化してしまったのです。
 いま企業にとって適応とは、まさに市場創造(活動)そのものであり、またそれはマーケティング(顧客に生かされる)戦略そのものなのです。
 読者諸氏は、「なぜ著者はそんなに言葉にこだわるのか」という疑問をもたれるかもしれません。
 それは「行動は言葉に規定されるから」です。
 対応型企業にとってのソクドは単なる速さの速度であり、適応型企業のソクドは今すぐにという“即度”なのです。
 さてひるがえって、読者諸氏の顧客へのサービス活動あるいは顧客満足活動における時間価値の認識と行動は対応型それとも適応型?!




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